胸膜動く?実質見える?気胸診断は2軸評価へ
肺超音波の国際コンセンサス2025年版
研究の背景:単純ではない超音波所見と病態の対応
ポイントオブケア肺超音波検査(point-of-care lung ultrasound;PoCLUS)は、臨床医がベッドサイドで実施し、その場の診療判断に用いる。Aライン、Bライン、lung sliding、lung point、コンソリデーションなどの所見を手がかりに、呼吸不全の病態推論に有用とされる。
2012年には、肺超音波に関する国際コンセンサスが公表され、気胸、胸水、interstitial syndrome、肺炎・無気肺などに対する基本所見と臨床応用が整理された(Intensive Care Med 2012; 38: 577-591)。それから10年以上が経過し、PoCLUSは急性期診療における身近なツールとなっている。
ただし「lung slidingがないので気胸」「多発Bライン(Multiple B-lines)があるので肺水腫」といった説明は理解しやすい一方で、実際には超音波所見と病態の対応はそれほど単純ではない。PoCLUSは簡便であるが、理解が浅い場合には注意を要する。
今回、国際コンセンサス2012年版を補完する、2025 focused update(以下、2025年版)が公表された(Intensive Care Med 2026; 52: 1415-1446)。2012~25年の1,775件の新規文献が検討され、83件のステートメントについて合意が得られている。このアップデートを基に、臨床現場でPoCLUSをどのように活用すべきかについて考察する。
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