「輸液反応性」と「輸液忍容性」は別物
敗血症性ショックでの多施設RCT
研究の背景:「まだ輸液できるか」をどう見極めるか
敗血症性ショックに対する初期の循環管理では、輸液は重要な治療の1つである。一方で、輸液には狭い治療域(therapeutic index)があり、過剰な輸液は害となりうる。輸液の必要性は、バイタルサインや超音波検査所見、乳酸値、毛細血管再充満時間(capillary refill time;CRT)などを用い、心拍出量(cardiac output)などのマクロな循環動態から組織灌流まで、循環を多面的に評価して判断する。
また、輸液によって血流量が増加するかを予測する方法として、passive leg raising(PLR)などを用いた輸液反応性(fluid responsiveness)の評価がある。輸液反応性は、一時的に静脈還流を増やした際に1回拍出量(stroke volume)や心拍出量が増加するかを評価するものである。
ただし、輸液反応性があっても、静脈うっ血や肺への水分貯留など、輸液に対する忍容性の低下を示す所見が併存することがある。すなわち、輸液によって1回拍出量や心拍出量が増える可能性と、患者がさらに輸液をどこまで許容できるかという輸液忍容性(fluid tolerance)は、別に考える必要がある。
P. Melo氏らは、低灌流が残存し、かつ輸液反応性を認める敗血症性ショック患者を対象に、肺超音波スコア(lung ultrasound score;LUS)、Venous Excess Ultrasound(VExUS)、僧帽弁流入血流速度E波/外側僧帽弁輪運動速度e′(E/lateral e′)、中心静脈圧(central venous pressure;CVP)から「輸液不耐性シグナル」を評価し、その程度に応じて輸液量を調整する戦略について検討した(Crit Care 2026年9月26日オンライン版)。
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