心電図の左室肥大は難し過ぎる?
研究の背景:左室肥大基準の功罪
循環器内科は文字通り 「ハート」 を扱う分野で、患者さんに対してできることもたくさんあり、即断即決、働いている人たちも格好良いので魅力にあふれる専門科だと思うのだが (注:個人の意見です) 、どうも心電図が循環器のイメージを悪くしているように思われてならない。実習の学生や病棟の研修医に笑顔で「将来循環器どうだい?」などと尋ねてみても、十中八九は「いやあ、心電図が難しくて」などと避けられてしまうとの報告もなされている (注:都内某大学病院のデータです)。
心電図が循環器内科の印象を悪くしている原因であるが、自分はその主要因は血の通わない定義付けにあるのではないかと思われる。例えば今回の論文(J Am Coll Cardiol 2017; 69: 1694-1703)で取り上げている左室肥大の定義などを思い起こしていただきたい。教科書などには「QRS波の高さは心室の厚さに依存しており、その高さと深さを足し算すると左室肥大を診断できます」などとされ、専門書を紐解けば以下のような表が出ていることが多い:
表. Romhilt-Estes 基準と呼ばれる左室肥大の定義
4点で「おそらく左心肥大」、5点で「確実に左心肥大」とされる

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香坂 俊(こうさか しゅん)
慶應義塾大学 循環器内科 専任講師。 1997年に慶應義塾大学医学部を卒業。1999年より渡米,St Luke's-Roosevelt Hospital Center にて内科レジデント ,Baylor College of Medicine Texas Heart Institute にて循環器内科フェロー 。その後,2008年まで Columbia University Presbyterian Hospital Center にて循環器内科スタッフとして勤務。
帰国後は,循環器病棟での勤務の傍ら主に急性期疾患の管理についてテキストを執筆〔「極論で語る循環器内科 第二版 」(丸善),「もしも心電図が小学校の必修科目だったら」(医学書院),「急性期循環器診療」(MEDSI)〕。2012年からは循環器領域での大規模レジストリデータの解析を主眼とした臨床研究系大学院コースを設置 (院生を随時募集中)。









