慢性期の脳梗塞再発を安全に半減

シロスタゾールを含む抗血小板薬2 剤併用療法

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研究の背景:シロスタゾールを含めたDAPTの効果と安全性を検討

 慢性期非心原性虚血性脳卒中患者に対するアスピリンとクロピドグレルを用いた抗血小板薬2剤併用療法(dual antiplatelet therapy:DAPT)には血小板凝集を抑制する相乗作用があり、抗血小板薬単剤療法(single antiplatelet therapy:SAPT)よりも虚血性脳卒中の早期再発を軽減することが示されている。しかし脳梗塞の再発予防のために慢性期に漫然とDAPTを継続すると再発に差がなくなり、出血や死亡が増加することが示されてきた。

 これまでにシロスタゾールはプラセボあるいはアスピリンと比べて重篤な出血の発生率を増加させることなく脳卒中の再発を予防することが、2件の大規模試験Cilostazol Stroke Prevention Study(CSPS)とCSPS2で示されている(J Stroke Cerebrovasc 2000; 9: 147-157Lancet Neurol 2010; 9: 959-968)。今回、慢性期非心原性虚血性脳卒中患者に対してシロスタゾールを含めたDAPTによる脳梗塞再発予防が安全で長期使用に適するかどうかを検討する多施設非盲検対照ランダム化比較試験Cilostazol Stroke Prevention Study. Combination(CSPS.com)研究結果が発表された(Lancet Neurol 2019; 18: 539-548)。

橋本 洋一郎(はしもと よういちろう)

熊本市民病院神経内科。1981年鹿児島大学医学部卒・熊本大学第一内科入局、1984年国立循環器病センター、1987年熊大第一内科、1993年熊本市民病院神経内科。専門は脳梗塞、頭痛、禁煙支援、リハビリテーション、医療連携。急性期病院の医師として脳卒中診療ネットワーク構築の中でいろいろな活動を行っている。日本脳卒中学会・日本頭痛学会・日本禁煙学会の理事。

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