フェブリク vs. アロプリノール再び

FAST研究から

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痛風・高尿酸血症治療薬の優劣

 痛風・高尿酸血症の治療薬としては尿酸生成抑制薬と尿酸排泄促進薬がある。前者は全てキサンチン酸化還元酵素(XOR)阻害薬で、アロプリノール、フェブキソスタット、トピロキソスタットがあり、アロプリノールを除き日本で開発された薬剤である。アロプリノールがプリン類似体であるのに対して、他の2剤はプリン類似体ではないという大きな違いがある。アロプリノールとフェブキソスタットは世界中で用いられており、両剤の優劣は国際的な関心事となっている。

 一般に、腎機能障害例ではアロプリノールの代謝産物であるオキシプリノールの蓄積傾向があるため、フェブキソスタットの方が安全とされる。また、アロプリノールによってStevens-Johnson症候群などを起こしやすい中国人や東南アジア人〔ヒト白血球抗原(HLA)-B*5801遺伝子頻度が高いため〕では、フェブキソスタットの方が使いやすいと考えられていた。

鎌谷直之(かまたに なおゆき)

公益財団法人痛風・尿酸財団理事、株式会社スタージェン会長

1973年東京大学医学部を卒業し、東京大学附属病院、日立製作所日立総合病院、東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センターなどで臨床医、研究者として膠原病、関節リウマチ、痛風、遺伝代謝病などの診療、教育、研究に当たる。

1979年4月から1982年3月まで米国カリフォルニア州スクリプス研究所に研究員として勤務し、抗白血病薬クラドリビンの開発に至った論文を発表、世界最初のがん抑制遺伝子MTAPの発見、MTAP欠損をターゲットにしたがんの個別化治療法の開発などを行った。

1998年から2008年まで東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター・センター長を務め、関節リウマチのコホートIORRA研究の指導、ゲノム薬理学に関する臨床研究、新しい高尿酸血症・痛風治療薬フェブキソスタットの臨床開発などを行う。

1989年4月から1990年3月まで米国ミシガン大学内科客員教授を務める。

2010年4月から2011年12月まで理化学研究所ゲノム医科学研究センター・センター長を務め、さまざまな疾患のゲノムワイド関連解析(GWAS)を行った。これまでに600以上の論文を発表。

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