射精して体調悪化、射精されて体調悪化の疾患

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

研究の背景:比較的歴史が浅い、射精後に体調不良を起こす疾患

 実に不思議な疾患であるが、男性が射精後に体調不良を起こすPostorgasmic illness syndrome(POIS)という疾患が存在する。POISが初めて報告されたのは2002年で、比較的歴史が浅い疾患だが、最近になりようやくPOISに関する論文報告が散見されるようになってきた。

 私は大学病院勤務時代にPOIS患者を1例も診たことがなかった。今回、なぜこの疾患を取り上げたかというと、現在、私が勤務しているクリニックのホームページでPOISを紹介したところ、約2年の間にその情報を見た43人もの患者が受診したからだ(オンライン診療を含む)。

 つまり、疾患自体が知られていないだけで、実は潜在的に多くのPOIS患者がいることが予測される。今回は、このPOISに関する最新のレビュー論文を紹介したい。

Postorgasmic Illness Syndrome: An Update Review. Eur Urol Focus 2023; 9: 22-24.

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小堀 善友 (こぼり よしとも)

プライベートケアクリニック東京 東京院院長。2001年、金沢大学医学部卒業。金沢大学泌尿器科、米・イリノイ大学シカゴ校泌尿器科、獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科准教授を経て、2021年より現職。日本泌尿器科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医、日本性機能学会専門医、日本性感染症学会認定医、日本性科学会セックス・セラピスト。著書に『オトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)、『妊活カップルのためのオトコ学』(メディカルトリビューン)、『今日の診断指針第8版「男子性発育の異常」』(医学書院)など。