コロナワクチンの効果はどの程度持続するのか?

(© Adobe Stock ※画像はイメージです)
ワクチンのメリットはさまざまに評価される。一番シンプルなメリットは「感染しない」というものだが、それだけがメリットなのではない。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンが提供するメリットは複数ある。
① 感染しない
② 発症しない
③ 重症化しない
④ 死なない
⑤ 他人に感染させない
⑥ 長期の合併症を起こさない
というものだ。対象者や変異株などによってバラツキはあるが、現在主流のmRNAワクチンは①〜⑥のメリットを提供してきた。
しかし、SARS-CoV-2ワクチンには幾つかのデメリットもある。特に問題なのは「複数回接種しなければならない」というものだ。しかも、何回接種するのが適切なのかは、いまだに分かっていない。
「①感染しない」というメリットについては、液性免疫が数カ月で下がってしまうワクチンのデメリットのために、繰り返しの接種が求められてきた。また、オミクロン株の出現以降、コロナの感染性は非常に高まってしまったが故に、「①感染しない」というメリットを希求するのはだんだん現実的ではなくなってきた。
「③重症化しない」「④死なない」については、より長い免疫が持続することが疫学研究などから示唆されている。これは、測定が難しい細胞性免疫がより長く持続するためと考えられている。また、液性免疫を誘導するワクチンのスパイク蛋白は、ウイルスの突然変異のために有効性が減じてしまうが、T細胞がつかさどる細胞性免疫のエピトープは武漢由来のウイルスのまま比較的保持されているという。
では、ワクチンによる免疫はどのくらい持続するのか。特に、複数回のブースターワクチンと、自然感染のいわゆる「ハイブリッド」の免疫が得られた場合はどうか。
今回、紹介する論文のテーマはこれである。
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岩田 健太郎(いわた けんたろう)

1971年、島根県生まれ。島根医科大学卒業後、沖縄県立中部病院、コロンビア大学セントルークス・ルーズベルト病院、アルバートアインシュタイン医科大学ベスイスラエル・メディカルセンター、北京インターナショナルSOSクリニック、亀田総合病院を経て、2008年より神戸大学大学院医学研究科教授(微生物感染症学講座感染治療学分野)・神戸大学医学部付属病院感染症内科診療科長。 著書に『悪魔の味方 — 米国医療の現場から』『感染症は実在しない — 構造構成的感染症学』など、編著に『診断のゲシュタルトとデギュスタシオン』『医療につける薬 — 内田樹・鷲田清一に聞く』など多数。









