ドクターズアイ 丹保亜希仁(救急医療)

静脈路か骨髄路か、院外心停止の1年予後は?

IVIO試験の長期予後を検討

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研究の背景:第一選択は静脈路確保

 成人の心停止における薬物投与経路は、末梢静脈路(intravenous route;IV)が第一選択であり、骨髄路(intraosseous route;IO)は代替手段として位置付けられている。欧州蘇生協議会(European Resuscitation Council;ERC)ガイドライン(GL)2025では、2回までにIV確保が成功しなかった場合はIOを考慮するとされており、アメリカ心臓協会(American Heart Association;AHA)GL2025では、初回でのIV確保失敗や実施困難な場合にIO確保が妥当とされている(関連記事「蘇生ガイドライン2025が『始動』」)。

 2024年、院外心停止に対する薬物投与経路としてIOとIVのランダム化比較試験(RCT)が2件報告された。1件は英国で実施されたPARAMEDIC-3試験(N Engl J Med 2025; 392: 336-348)、もう1件はデンマークで実施されたIVIO試験(N Engl J Med 2025; 392: 349-360)である。両試験とも、30日時点での生存率および神経学的予後が良好な割合に、IO群とIV群で有意差が認められなかった

 今回は、このIVIO試験の6カ月後および1年後時点での予後を検討した報告(Resuscitation 2026; 223: 111087)について紹介する。

丹保 亜希仁(たんぽ あきひと)

旭川医科大学救急医学講座准教授、旭川医科大学病院救命救急センター副センター長

2003年、旭川医科大学卒業、麻酔・蘇生学教室に入局。2005年に米・Medical College of Wisconsin麻酔科に留学し、帰国後は麻酔科から救急・集中治療領域へと徐々に軸足を移した。岩手県高度救命救急センター、名寄市立総合病院救命救急センター、市立旭川病院救急科などを経て、2023年より現職。興味・関心領域は気道管理、周産期救急・集中治療、ポイントオブケア超音波(気道・肺・ガイド下手技)、血栓性微小血管症(TMA)、急性血液浄化など。日本集中治療医学会機関誌編集・用語委員会委員長。高気圧潜水医学会北海道地方会会長。共著に『改訂第5版 日本救急医学会 ICLSコースガイドブック』(羊土社)などがある。

丹保 亜希仁
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