遂に登場!不眠症治療アプリを深掘り
可能性を探る
アプリ登場でCBT-Iは「どこでも受けられる治療」に
昨年(2025年)7月22日の本欄(関連記事「RCTで明瞭な効果! 精神疾患治療アプリの時代」)で、精神疾患治療アプリの時代が到来しつつあることを報告した際にご紹介した不眠症の治療アプリ「Medcle(メドクル)」が遂に保険収載され、今年6月1日から使えるようになった(保険適用名は「不眠障害」、関連記事「『アプリで不眠症を治療する時代』への期待と戸惑い」)。
Medical Tribuneウェブの関連サイトであるMT MEETの企画で昨年、秋田大学精神科教授の三島和夫氏と対談した際、不眠症の治療について議論した(関連動画「睡眠障害にベンゾジアゼピン受容体作動薬は選択肢となる?!」)。
対談の中で、「不眠症には不眠症に特化した認知行動療法(CBT-I)が第一選択となるが、現実にどこでも受けられるわけではない以上、現時点では第一選択とはなり難い。しかし、CBT-Iのアプリが出た時点で、それが不眠症治療の第一選択となるはずだ」という話になった。
その待望の不眠症治療アプリがいよいよ臨床の場に登場した。
実際に使ってみたわけではなく、まだ“処方”したこともないので、あまりはっきりしたことはいえないが、このアプリの有効性を検証した二重盲検ランダム化比較試験(Sleep 2023; 46: zsac270)の成績を振り返りつつ、可能性を探ってみたい。また、今後はベンゾジアゼピン関連催眠薬への依存を解消する治療アプリの登場を強く望んでいるが、その可能性を示唆する最新論文(Sleep Med 2026: 139: 108744)についても紹介したい。
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加藤 忠史(かとう ただふみ)
順天堂大学精神医学講座主任教授。1988年東京大学医学部卒業、同病院で臨床研修、1989年滋賀医大精神医科大学講座助手、1994年同大学で医学博士取得、1995年米・アイオワ大学精神科に留学(10カ月間)。帰国後、1997年東京大学精神神経科助手、1999年同講師、2001年理化学研究所脳科学総合研究センター精神疾患動態研究チームリーダー、2019年理化学研究所脳神経科学研究センター副センター長を経て、2020年4月から現職。
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