GLP-1時代の肝線維化検査、「3時間絶食」は妥当?
成人23例対象の前向き研究
研究の背景:胃排出遅延でVCTEの前処置は変わるか
代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)や肝硬変の診療において、振動制御一過性エラストグラフィ(VCTE)による肝硬度測定(LSM)は、肝線維化を非侵襲的に評価する標準的ツールとして広く用いられている。
VCTEの測定値は食後の門脈血流および肝血流の増加によって偽性に高値を示すため、国際的なガイドラインなどでは検査前に「少なくとも3時間の絶食」が推奨されてきた。しかし、この推奨はGLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)が普及する以前のコホート研究に基づくものである。
近年、肥満、2型糖尿病、MASLDの治療としてGLP-1RAやGLP-1/GIP受容体作動薬のチルゼパチドの使用が急増しているが、これらの薬剤は胃排出能を遅延させ、食後血行動態を変化させる特性を持つ。そのため、GLP-1RA投与患者においても従来の「3時間絶食」でLSMが十分に正常化(ベースラインへの復帰)するかは解明されておらず、実臨床における前処置の妥当性の検証が課題となっていた。こうした中、Am J Gastroenterolに発表された論文を紹介する(2026年9月1日オンライン版)。
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