ドクターズアイ 齋田良知(整形外科)

人工関節とPRP療法は二者択一ではない

最新RCTと国際コンセンサスから見えた「膝OA治療の次の課題」

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研究の背景:重症膝OAに対するPRP療法の有効性には議論の余地

 変形性膝関節症(膝OA)に対する多血小板血漿(platelet-rich plasma:PRP)療法は、近年多くの臨床研究が報告され、特に軽症から中等症の膝OAに対する疼痛・身体機能改善効果については一定のエビデンスが蓄積してきた。一方、Kellgren-Lawrence(KL)grade 3~4の進行した膝OAに対して、PRP療法をどこまで勧めるべきかについては議論が残る。

「そこまで悪ければ手術をすればよい」という考え方もある。しかし、実際の診療はそれほど単純ではない。将来的には人工膝関節置換術を受けると決めていても、仕事や家庭の事情、介護、社会活動などのために「今は手術できない」という患者は少なくない。そのような患者にPRP療法は意味があるのだろうか。

 Lackoらは、まさにこの疑問に答える興味深いランダム化比較試験(RCT)の結果を報告した(J Orthop Surg Res 2026; 21: 453)。

齋田良知(さいた よしとも)

順天堂大学整形外科・スポーツ診療科准教授(運動器再生医学講座特任教授)

順天堂大学医学部を卒業後、同大学整形外科・スポーツ診療科に入局。Jリーグジェフ千葉および女子サッカー日本代表(なでしこジャパン)のチームドクターを務め、2016年にはイタリアのサッカークラブACミランに帯同した。2016年のいわきFC発足時からチームドクターを務める。2018年、一般社団法人日本スポーツ外傷・障害予防協会を設立し、代表理事に就任。変形性膝関節症など変性疾患の治療経験も豊富で、多血小板血漿(PRP)療法を含む幅広い治療選択肢を患者に応じて使い分けている。

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