統合プログラム5(パネルディスカッション) 10月29日 9:00〜12:00 第3会場/神戸国際展示場(2号館) 3A会議室(3F) --> International Session(Workshop)3(日本消化器内視鏡学会・日本消化器病学会・日本消化器外科学会) 11月2日(土) 9:00〜12:00 第4会場(ポートピアホテル南館 ポートピアホール) [司会] Hiroyuki Ono 氏 Division of Endoscopy, Shizuoka Cancer Center Motohiko Kato 氏 Center for Diagnostic and Therapeutic Endoscopy, Keio University School of Medicine [演者] Sergey V. Kantsevoy 氏 Mercy Medical Center Fatih Aslan 氏 Koc University Hospital Eiji Sakai 氏 Division of Gastroenterology, Yokohama Sakae Kyosai Hospital Mayuko Seya 氏 Molecular Gastroenterology and Hepatology, Graduate School of Medical Science, Kyoto Prefectural University of Medicine Teppei Masunaga 氏 Division of Research and Development for Minimally Invasive Treatment, Cancer Center, Keio University School of Medicine Mayo Tanabe 氏 Digestive Diseases Center, Showa University Koto Toyosu Hospital Eiichiro Yokoyama 氏 Division of Endoscopy, Shizuoka Cancer Center Tatsuma Nomura 氏 Gastroenterology, Suzuka General Hospital,Department of Gastroenterology, Ise Red Cross Hospital Hitoshi Mori 氏 Department of Gastrointestinal Oncology, Osaka International Cancer Institute,Department of Gastroenterology, Nara Medical University Yasuhiro Taniguchi 氏 Department of Gastroenterology, Sasebo City General Hospital Yoshiaki Kimoto 氏 Division of Gastrointestinal Endoscopy, NTT Medical Center Tokyo Noriko Nishiyama 氏 Department of Gastroenterology and Neurology, Faculty of Medicine, Kagawa University Masayoshi Ono 氏 Department of Gastroenterology and Hepatology, Hokkaido University Graduate School of Medicine Daisuke Kikuchi Department of Gastroenterology, Digestive Tract Center, Toranomon Hospital Kajigaya ─先生が理事長に就任して初のJDDWの開催となります。 第31回日本消化器関連学会週間(JDDW 2023)は、2023年11月2日(木)〜5日(日)の4日間、神戸コンベンションセンターで開催します。例年通り、初日から3日間は一般プログラムを実施し、最終日に教育講演を行います。会場での講演を原則とする現地開催およびWeb開催を併用したハイブリッド形式とし、教育講演はe-ラーニングとなります。 昨年(2022年)、JDDWは前理事長の下瀬川徹先生の下、30周年という大きな節目を迎えました。今年2月に理事長を拝命し、新たなJDDWの幕開けであるJDDW 2023の運営を担う大役を任されました。身の引き締まる思いですが、盛会を目指し鋭意邁進いたします。 ─今回、5人の大会長のうち2人が女性で、運営委員長も初めて女性の名越先生が選出されました。 性差医療に焦点を当てたさまざまなセッションを企画しており、例年とは一味違う印象を持たれるのではないでしょうか。多くの学会が女性会員の獲得に努め、また女性が活躍できるよう力を注いできました。名越澄子先生、塩谷昭子先生がそれぞれ第65回日本消化器病学会大会会長、第106回日本消化器内視鏡学会総会会長の任を担い、また名越先生に運営委員長を務めていただくのは、こうした各学会の取り組みやご本人の研鑽が実を結んだ結果です。これまでに培った経験および知見を踏まえ、大会長あるいは運営委員長として思う存分に力を発揮していただきたいと思います。 --> 消化管に発生する早期腫瘍に対し、内視鏡を用いて内腔から粘膜下層まで剝離する内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)は、四半世紀前に日本で開発された。切除の術式は確立されつつあり、現在ではいかにして創を閉鎖するかを問う段階になっている。司会のMotohiko Kato氏は「本セッションでは新しい縫合法の紹介や使い分け、縫合時のコツ、縫合糸を用いない新規被覆材など、術創部に対するさまざまな閉鎖法を紹介する。海外のエキスパートからはデバイスを用いた縫合法や難渋症例のレクチャーがあり、まさに内視鏡切除と縫合閉鎖の最前線を網羅する内容だ」と述べる。 図. 日本の大腸がん検診の現状 (小林望氏提供) --> 最新の縫合法から海外の前衛的な挑戦まで見逃せない 本セッションは海外演者2氏による基調講演で始まる。内視鏡治療の権威であり縫合のスペシャリストでもある米国のSergey V. Kantsevoy氏は、デバイスを用いた縫合テクニックを紹介する予定だ。縫合難渋例に果敢に挑み、世界を驚かせてきたトルコのFatih Aslan氏からは、迫力あるプレゼンが行われる予定だ。「海外のエキスパートから刺激を受け、日本の医師もさらなる高みを目指してほしい」とKato氏は言う。 日本の課題を浮き彫りにする6演題 --> 図2. ALT値30U/L超の拾い上げおよび診療連携のフロー (図1、2とも日本肝臓学会・奈良宣言特設サイトから) --> この後は、独自の縫合閉鎖法を考案してきた国内の演者による最新の報告が続く。Eiji Sakai氏は胃ESDに対する、取り外し可能なスネアとクリップを用いた縫合法CLiPSの有効性を紹介。難易度が高い十二指腸ESDについて、Mayuko Seya氏は水中クリップ縫合法UCCMと全層縫合器を用いた縫合法OTSCCを比較、Teppei Masunaga氏は海外からの注目度も高い、筋肉層を折り畳んで縫合するORIGAMI法の有効性を報告する。 Mayo Tanabe氏は、大腸ESDにおいて自身が考案した縫合法Loop9とMantisクリップを用いた縫合法を比較する。Eiichiro Yokoyama氏は、筋層を切開し胃壁全層を切除する内視鏡的胃局所切除術(EFTR)後の閉鎖にMantisクリップを用いた結果を報告する。Tatsuma Nomura氏は創の両側に配置したクリップに糸を通していく縫合法ROLMの考案者であり、これについて発表する。続くHitoshi Mori氏は、EFTR後にROLMを実施した結果を報告する。 クリップなどを用いた縫合法は安定性があるものの、コスト面に課題が残る。そこでYasuhiro Taniguchi氏は、費用効果を意識したサイドホール法SHMを紹介する。Yoshiaki Kimoto氏は新規アンカー型縫合装置を開発、動物モデルで検証した結果を明らかにする。Noriko Nishiyama氏は、EFTR後に創口を内腔側に内反させる縫合法DC-OTSGを実施、結果を示す。 Masayoshi Ono氏は、これまで「縫う」ことが一般的だった閉鎖法に、全く新しい視点を提案。生体吸収素材とハイドロゲルを用いたシートで創を覆う手法の難易度やコスト面の課題に挑む。Daisuke Kikuchi氏は結紮装置を用いた改良型デバイスの有効性を検証。いずれも動物実験の結果報告だが、臨床試験への進展が期待されている。 グローバルに活躍し、世界をリードする内視鏡医に 本セッションは全て英語で行われるが、これにはKato氏の「日本の内視鏡診療が世界をリードし続けるために、今後を担う若い世代がグローバルに活躍してほしい」との願いが込められている。英語でのディスカッションはハードルが高いと思われがちだが、内視鏡切除および縫合閉鎖難渋例の紹介やデモンストレーション動画もあり、英語セッションに自信がない医師でも楽しめる内容だという。同氏は「海外から刺激を受けつつ新たな縫合法を学び、デバイス開発や新規素材による閉鎖法などの知見を深め、今後の内視鏡治療の方向性を議論したい。ぜひ多くの医師に足を運んでほしい」と呼びかけた。 ※本記事の内容は取材時点での情報です。当日に変更となる場合があります。 図1. 医師における女性の割合 (日本学術会議 科学者委員会 男女共同参画分科会 2019年実施「男女共同参画・ダイバーシティ推進の進捗状況に関する大学・研究機関向けアンケート」を基にして名越氏作図) --> JDDWに参加する4学会(日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、日本肝臓学会、日本消化器外科学会)の状況を調査したところ、日本消化器外科学会を除く3学会では職位が上がるにつれて女性の割合は低下します。なお、現在までに4学会とも女性が理事長に就任した実績はありません(図2)。 --> MTウェブJDDW2024 TOP JDDW2024公式サイト 第67回日本消化器病学会大会 [会長]上野 義之 山形大学 内科学第二(消化器内科学) 第110回日本消化器内視鏡学会総会 [会長]田中 聖人 京都第二赤十字病院 第29回日本肝臓学会大会 [会長]加藤 直也 千葉大学大学院 消化器内科学 第23回日本消化器外科学会大会 [会長]瀧口 修司 名古屋市立大学大学院 消化器外科学 第63回日本消化器がん検診学会大会 [会長]岡庭 信司 飯田市立病院 消化器内科