日本初「ケトン産生食」研究への苦言と期待
研究の背景:2016年はケトン体の概念が変わった年
今年(2016年)は、わが国におけるケトン体の概念が大きく変わった年であった。それはEMPA-REG OUTCOME試験(N Engl J Med 2015, 373, 2117-2128、N Engl J Med 2016;375:323-334)によって示されたエンパグリフロジンの心血管疾患や腎臓などの臓器保護作用の機序として、Ferranniniらがケトン体に由来する可能性を述べたからである(Diabetes Care 2016;39:1108-1114、関連記事)。私の周囲の糖尿病専門医や循環器内科医にも、ケトン体研究を始めると公言する人が出始めている。
しかし、これまでわが国のケトン産生食研究は、てんかんあるいは糖輸送担体(GLUT)1欠損症の治療食としての報告ばかり(Pediatr Neurol 2013;49:493-496、Brain Dev 2015;37:18-22、Brain Dev 2016;38:601-604)であり、代謝疾患や心血管疾患に対するケトン体産生食についての論文報告はない。実際、「"ketogenic""Japanese""obesity"」あるいは「"ketogenic""Japanese""diabetes"」という語句でpubmedを検索しても、英語論文は1件としてヒットしない状況である。
そんな中、pubmedに収載されているわけではないが、日本の糖化ストレス研究会の英文web誌に、わが国で最も初期から糖質制限指導に取り組んできた江部康二氏らのグループから、ケトン体に関する研究論文が報告された(Glycative Stress Research 2016;3:133-140)。産科領域の論文ではあるが、論文の議論の中で代謝疾患へのケトン産生食についても触れているので、取り上げてご紹介したい。
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