AISとTIAの転帰改善・再発予防法をレビュー

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研究の背景:身体障害の主因となる脳卒中につながるAISとTIA

 米国において脳卒中は、身体障害の主因で、5番目の死因である。年間発症者数は約80万人、うち約70万人が急性虚血性脳卒中(acute ischemic stroke: AIS)で、脳卒中治療に関連する年間医療費は700億ドル(約7兆6,000億円)を超えている。

 発症数時間から数日以内に抗血栓療法(および重度の頸動脈狭窄症患者では頸動脈血行再建術)を行わなかった場合、一過性脳虚血発作(transient ischemic attack:TIA)患者の7.5~17.4%が3カ月以内(その半数がTIA発症後48時間以内)に脳卒中を発症する。米国では年間24万人を超えるTIAが発症していると推算されている。

 米・シカゴ大学の脳神経内科医2人が最近のAISとTIAに関する文献をレビューし、診断および早期管理方法をまとめたので紹介する(JAMA 2021; 325: 1088-1098)。(関連記事「"Less is more"、DAPTは10〜21日以内に」)

橋本 洋一郎(はしもと よういちろう)

熊本市民病院神経内科。1981年鹿児島大学医学部卒・熊本大学第一内科入局、1984年国立循環器病センター、1987年熊大第一内科、1993年熊本市民病院神経内科。専門は脳梗塞、頭痛、禁煙支援、リハビリテーション、医療連携。急性期病院の医師として脳卒中診療ネットワーク構築の中でいろいろな活動を行っている。日本脳卒中学会・日本頭痛学会・日本禁煙学会の理事。

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