デキストロメトルファン（DXM）は、脳の中枢に作用して咳を鎮める非麻薬性の鎮咳成分で、さまざまな市販の咳嗽薬に含まれている。適正に使用すれば安全だが、高用量を服用すると幻覚作用、解離作用を生じ、近年では陶酔感や多幸感を得る目的でのレクリエーションドラッグとしての乱用が問題となっている。前橋赤十字病院高度救命救急センター集中治療科・救急科の水野雄太氏は、DXM（商品名メジコン）過量服薬により遷延する低血糖を呈し、ドクターカーで救急搬送されたまれな18歳男性の症例を第53回日本救急医学会（10月28～30日）で報告した。（関連記事「10歳代のOTC薬乱用は「自傷」と「自殺」の中間地点」）