寄稿

ノーベル生理学・医学賞とゲノム解析

公益財団法人痛風・尿酸財団理事 鎌谷直之

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〔編集部から〕2022年のノーベル生理学・医学賞に、スウェーデン出身の進化学者、遺伝学者であるスバンテ・ペーボ氏が選ばれた。同氏は現在、独・マックス・プランク進化人類学研究所に所属し、沖縄科学技術大学院大学(OIST)の客員教授でもある。ゲノム解析と人類進化の解明における同氏の功績について、公益財団法人痛風・尿酸財団理事の鎌谷直之氏から寄稿があったので紹介する。

鎌谷直之(かまたに なおゆき)

公益財団法人痛風・尿酸財団理事、株式会社スタージェン会長

1973年東京大学医学部を卒業し、東京大学病院、日立製作所日立総合病院、東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センターなどで臨床医、研究者として膠原病、関節リウマチ、痛風、遺伝代謝病などの診療、教育、研究に当たる。

1979年4月から82年3月まで米・カリフォルニア州スクリプス研究所で研究員として勤務し、抗白血病薬クラドリビンの開発に至った論文を発表。世界最初のがん抑制遺伝子MTAPの発見、MTAP欠損をターゲットにしたがんの個別化治療法の開発などに従事した。

1998年から2008年まで東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センターセンター長を務め、関節リウマチのコホートIORRA研究の指導、ゲノム薬理学に関する臨床研究、新たな高尿酸血症・痛風治療薬フェブキソスタットの臨床開発などを行う。

1989年4月から90年3月まで米・ミシガン大学内科客員教授を務める。

2010年4月から2011年12月まで理化学研究所ゲノム医科学研究センター・センター長を務め、さまざまな疾患のゲノムワイド関連解析(GWAS)を行った。これまでにNatureNature Geneticsに掲載された34論文を含む600報以上の論文を発表。

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