抗肥満薬の新たな展開
研究の背景:症例数が増えない外科治療、成績悪い内科治療
以前にもお伝えしたことであるが、肥満に対する内科治療は(外科治療に比較して)はなはだ治療成績が悪い(関連記事「内科治療の敗北? 肥満手術は長期効果のある優れた糖尿病治療」)。
一方で、腹腔内が著明な内臓脂肪で埋め尽くされ、腹腔鏡下での観察視野の確保が難しい肥満手術は、極めて高度の技術を要する手術である(と聞く)。それ故、保険診療上の施設基準の厳しさも相まって、なかなか日本での症例数は伸びるに至っていない。
となれば、新しい機序の抗肥満薬が開発され、有効性と安全性が確保されれば、それに勝ることはないであろう。しかし、これまでの多くの肥満治療薬は副作用の故に開発が中止されてきたという歴史がある(関連記事「抗肥満薬の開発は難しい」)。
このたび、メラノコルチン4型受容体(MC4R)のアゴニストという新たなカテゴリーの薬剤により、レプチン受容体欠損症患者の食欲や肥満を是正できたという1年程度の試験(第Ⅱ相試験なので、臨床試験というよりcase seriesという印象であるが)の結果が、(臨床医学誌ではなく、基礎医学誌である)Nature Medicineに報告された(Nat Med 2018年5月7日オンライン版)。期待感を込めてご紹介したい。
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