太刀打ち困難?特発性肺線維症の急性増悪
シクロホスファミド併用のEXAFIP研究から
研究の背景:「全身性ステロイド+免疫抑制薬」はよく行われる治療だが...
多くの呼吸器内科医が待っていたEXAFIP研究である。特発性肺線維症(IPF)急性増悪の治療において、かなり重要なエビデンスとなるので必読であろう。
2019年に本連載で、浜松医科大学の傾向スコアマッチングを用いた論文を紹介したことがある(関連記事「"最重症の呼吸器疾患"にどう立ち向かう?」)。この後ろ向き研究によると、全身性ステロイド群と全身性ステロイド+シクロホスファミド群を比較した場合、IPF急性増悪発症後の累積生存率に有意差は見られず、90日生存率は84.6% vs. 76.9%(P=0.70)、180日生存率は69.2% vs. 69.2%(P=1.00)、360日生存率は53.9% vs. 61.5%(P=0.78)という結果で、全身性ステロイド+シクロホスファミドの有効性は示されなかった。
全身性ステロイドに免疫抑制薬を併用するプラクティスは、IPF急性増悪ではよく行われてきた。これは、奥の手として何か使える治療はないかと探索的に考えたとき、免疫暴走を抑えることが理にかなっていたからである。しかし、エビデンスが乏しかった。
例えば、シクロスポリンでは大規模な後ろ向き観察研究において、高用量メチルプレドニゾロンにシクロスポリンを加えても死亡率の改善は見られなかったと報告されている(J Thorac Dis 2018; 10: 5275)。タクロリムスについては小規模な研究ではあるが、高用量メチルプレドニゾロンに併用しても生存率は改善しなかったことが報告されている(Intern Med 2011; 50: 189-95)。
「フランスにおいて、シクロホスファミド併用の第Ⅲ相試験が実施されている」ということは有名な話だったが、結果がついに論文化された(Lancet Respir Med 2021年9月7日オンライン版)
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倉原 優 (くらはら ゆう)
国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科医師。2006年、滋賀医科大学卒業。洛和会音羽病院での初期研修を修了後、2008年から現職。日本呼吸器学会呼吸器専門医、日本感染症学会感染症専門医、インフェクションコントロールドクター、音楽療法士。自身のブログで論文の和訳やエッセイを執筆(ブログ「呼吸器内科医」)。著書に『呼吸器の薬の考え方、使い方』、『COPDの教科書』、『気管支喘息バイブル』、『ねころんで読める呼吸』シリーズ、『本当にあった医学論文』シリーズ、『ポケット呼吸器診療』(毎年改訂)など。










