研究の背景:PFO閉鎖の不適用例を回避することで転帰が改善する可能性 本連載の第1回は、「経皮的卵円孔開存閉鎖術の3連敗から3連勝 潜因性脳梗塞治療における新たな展開」(2017年10月31日掲載)であった。2019年5月に『潜因性脳梗塞に対する経皮的卵円孔開存閉鎖術の手引き』が公開され、経皮的卵円孔開存(patent foramen ovale:PFO)閉鎖術がわが国でも行われるようになった。 Risk of Paradoxical Embolism(RoPE:奇異性塞栓症リスク)スコアに加えて、PFO-Associated Stroke Causal Likelihood(PASCAL:PFO関連脳卒中発症可能性)分類システムが登場した。 PFOの閉鎖は再発性脳梗塞の減少につながる一方で、心房細動(AF)が増加する。PFOが脳梗塞の原因となるリスクが高い患者を慎重に選択することで、PFO閉鎖による利益が得られにくい患者への閉鎖を回避し、転帰を改善できる可能性がある。そこで、PASCAL分類システムにより、PFO閉鎖による純利益と純損害を経験する患者を特定できるかどうかを明らかにする目的で、経カテーテルPFO閉鎖術と抗血栓療法単独を比較した6件のランダム化試験全てを含む、Systematic, Collaborative, PFO Closure Evaluation(SCOPE)コンソーシアムのメタ解析の二次解析(個々の参加者レベルでのデータ)を行ったのが、今回紹介する論文である(JAMA Neurol 202; 83: 242-249)。