待望されるアルドステロン合成酵素阻害薬
Baxdrostatの第Ⅱ相試験で極めて良好な結果
研究の背景:治療抵抗性高血圧はかなり多い
わが国には多くの降圧薬が存在し、作用機序別のクラスだけでも以下の10種類に上る。
カルシウム(Ca)拮抗薬
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)
アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬
直接的レニン阻害薬
利尿薬
β遮断薬
α遮断薬
ミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬
中枢性交感神経抑制薬
古典的血管拡張薬
しかし、「利尿薬を含むクラスの異なる3剤の降圧薬を用いても血圧が目標まで下がらない高血圧症」と定義される治療抵抗性高血圧症の患者は多数存在し、一般診療において数パーセント、高血圧の専門外来では半数以上がそうであるとされている(日本高血圧学会『高血圧治療ガイドライン2019』)。
また、Ca拮抗薬、ARBあるいはACE阻害薬、サイアザイド系利尿薬の3剤で目標血圧に達しない場合の対応として、増量や服用法の変更に次いで挙げられているのがMR拮抗薬の追加である(前掲ガイドライン)。実際、最近のMR拮抗薬はMR選択性が高く、女性化乳房のような副作用が生じにくく、広く使われるようになりつつある(私自身も処方の機会が増えている、関連記事「腎保護薬の主役をうかがうMR拮抗薬」)。
しかし、MR拮抗薬は代償性の高レニン血症、高アンジオテンシンⅡ血症、高アルドステロン血症を誘導し、MRを介さない経路で臓器障害を生じる可能性があるという。そこで、現在開発中なのが、アルドステロン合成酵素阻害薬baxdrostatである(図1)。
図1.アルドステロン、コルチゾルの合成経路とbaxdrostatの作用点

(N Engl J Med 2023; 388: 464-467)
baxdrostatはコルチゾルの合成酵素(図1のCYP11B1の部位)をほぼ阻害せずに、アルドステロン合成酵素(図1のCYP11B2の部位)を選択的に阻害するらしい(阻害活性が100:1)※。
同薬の第Ⅰ相試験(健常者に投薬して、安全性や薬物動態を検討するための臨床試験:Hypertens Res 2023; 46: 108-118)とほぼ同時に、第Ⅱ相試験(第Ⅰ相試験で安全性が確認された用量の範囲内で、少数の患者を対象に、治験薬の安全性、有効性、用法、用量を探索するための臨床試験)の結果がN Engl J Medに報告された(N Engl J Med 2023; 388: 395-405)。
極めて良好な結果であり、今後、第Ⅲ相試験〔既存治療との比較のための二重盲検ランダム化比較試験(RCT)〕、上市へと進む可能性が高いと考えご紹介したい。
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