ドクターズアイ 鈴木重明(脳神経内科)

パーキンソン病へのMRgFUS、DBSに代わる選択肢となるか

「淡蒼球視床路」を標的とした両側治療を検証

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研究の背景①:MRガイド下集束超音波療法が急速に普及

 MRガイド下集束超音波療法(MRgFUS)は、体の外から超音波を1点に集め、MRIで温度と位置を確認しながら脳の狙った部分だけをピンポイントで凝固する治療法である。MRgFUSによる脳の治療は、本態性振戦に対する片側視床凝固術から始まった。2016年に米食品医薬品局(FDA)の承認を取得、日本では2019年に保険適応となり、穿頭を伴わないことから急速に普及した。

 視床に対する定位機能外科治療には、脳内に針を挿入して熱凝固する高周波凝固手術(RF)や電極を留置して電気刺激を行う脳深部刺激療法(DBS)があるが、現在、本態性振戦に対してはMRgFUSが中心的存在となっている(Lancet Neurol 2025; 24: 698-712)。

 そうした中、パーキンソン病をはじめとする他の運動障害疾患で、今後MRgFUSが定位機能外科治療においてどのような位置付けとなるか注目されている。既に、パーキンソン病の難治性振戦に対する片側視床MRgFUSは2018年にFDAの承認を取得し、日本でも2020年に適応拡大された。

【監修】鈴木 重明(すずき しげあき)

東京都立神経病院脳神経内科、副院長

1968年東京生まれ。慶應義塾高校から慶應義塾大学医学部に進学し、1993年卒業。ニューヨーク医科大学留学、慶應義塾大学准教授(内科学・神経)を経て、2025年4月より現職。重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン(日本神経学会)、がん免疫療法ガイドライン(日本臨床腫瘍学会)、スタチン不耐に関する診療指針(日本動脈硬化学会)の作成メンバー。都立神経病院では自己免疫ラボを立ち上げ、重症筋無力症、炎症性筋疾患、免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象など自己免疫疾患の臨床研究を展開中。

鈴木重明

【執筆】池澤 淳(いけざわ じゅん)

東京都立神経病院脳神経内科医員

1986年生まれ。2011年群馬大学卒業。2017年より東京都立神経病院に赴任し、機能的定位脳手術の先駆者である横地房子医師の下で脳深部刺激療法(DBS)などの診療に取り組む。機能的定位脳手術技術認定医を取得し、現在は機能外科チームの脳神経内科診療を主導している。ジストニアや機能外科治療の研究を積極的に行い、2021年に全身性ジストニアにおけるドパミン系障害の研究でMDS International Congress優秀演題、2025年に本研究で第19回パーキンソン病・運動障害疾患コングレス最優秀演題に選出。2026年9月よりBMC Neurology誌のEditorial Board Memberを務める。

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