"Less is More"がまた証明された

脳卒中専門医から見たAFIRE試験

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研究の背景:心房細動を有する安定冠動脈疾患患者における経口抗凝固薬単剤療法の有効性を検証

 これまで、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行した心房細動患者には抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)+抗凝固薬1剤の3剤併用療法が実施されてきたが、欧米のガイドラインでは3剤併用期間を短くして、早期に抗血小板薬1剤+抗凝固薬1剤の2剤併用療法へと移行し、1年以降には抗凝固薬単剤投与とすることが推奨されている(Eur Heart J 2018; 39: 213-260)。しかし、心房細動を有する安定冠動脈疾患患者における経口抗凝固薬単剤療法の有効性についての臨床試験のエビデンスは限られていた。

 こうした中、心房細動患者を対象に直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)リバーロキサバン単剤療法群とリバーロキサバン+抗血小板薬単剤の併用療法の効果を比較した多施設非盲検試験AFIREがわが国で実施された(N Engl J Med 2019; 381: 1103-1113)。(関連記事「リバーロキサバン、単剤で非劣性示す」「"Less is more"、DAPTは10〜21日以内に」)

橋本 洋一郎(はしもと よういちろう)

熊本市民病院神経内科。1981年鹿児島大学医学部卒・熊本大学第一内科入局、1984年国立循環器病センター、1987年熊大第一内科、1993年熊本市民病院神経内科。専門は脳梗塞、頭痛、禁煙支援、リハビリテーション、医療連携。急性期病院の医師として脳卒中診療ネットワーク構築の中でいろいろな活動を行っている。日本脳卒中学会・日本頭痛学会・日本禁煙学会の理事。

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