JDDW 2024:低侵襲治療の実現に向けた要素を学び、世界へ発信

第108回日本消化器内視鏡学会総会 会長
慶應義塾大学 腫瘍センター 低侵襲療法研究開発部門 教授

矢作 直久 氏

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 昨今、内視鏡を用いた低侵襲治療が世界的に注目されています。しかし、最先端の低侵襲治療を実現するためには内視鏡治療そのものだけでなく、病変の評価および早期発見、新しい手技に適した医療機器の開発、術中の鎮静、術後のフォロー、ガイドラインの整備など、さまざまな関連要素について考える必要があります。治療を構成する要素を多角的、網羅的に皆さんと討議したいという狙いから、第108回日本消化器内視鏡学会総会のテーマは「低侵襲治療に向けた新たな挑戦」としました。

 低侵襲治療には疾患の早期発見、その手段としての検診が欠かせませんし、「治療に際しては外科手術を行わなくてもいいのか」といった議論も出てくるでしょう。複数の関連学会が相互に交流するJDDWにおいて今回のテーマを設定し、活発な意見交換が行われることで、内視鏡治療のさらなる発展につながる大きな相乗効果が生まれてくるものと期待しています。

 日本消化器内視鏡学会としては、海外からの演者を迎え、英語でのセッションを多数盛り込みました。内視鏡による低侵襲治療の手技や治療機器は日本発のものが多く、国際標準になりつつある一方、海外でも新たな機器の開発が進められ、低侵襲治療をさらに向上させようという流れがあります。こうした中、英語で研究発表を行う機会が増えており、日本の技術をいかに世界に向けてアピールするかが課題となっている現状を踏まえた企画になります。

 また、内視鏡の手技は「百聞は一見にしかず」という部分があり、手技を動画で見ていただく「JGES Video Forum」を大会2日目の午前と午後に設けました。海外からの多くの招聘者にコメントをもらいながら、日本人の登壇者に英語で発表していただく趣向となっています。他にも、International sessionを中心として、英語に触れたり海外からのゲストとコミュニケーションを取ったりしながら、診断、治療、縫合閉鎖などの最新情報が入手できるセッションは貴重です。現地参加の方は、聴講の合間に展示ブースで最新機器をチェックするのもおすすめです。

 特に若手の先生には、内視鏡治療に関する技術を英語でどのように発信すれば国際的に通用するのか、世界に羽ばたいていけるのかを存分に学びながら、学会を満喫していただければと思います。

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