JDDW 2024:熱いディスカッションが交わされる学会に 第62回日本消化器がん検診学会大会 会長浜松医療センター 院長補佐・常務理事/消化器内科部長金岡 繁 氏 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする がん検診には、対象とする「健康な人」に潜むがんの疑いを探し出し、治療につなげることが求められます。そのため、がんの検査は感度が重要であると同時に、特異度も問われます。しかし、両者は二律背反の関係にあり、感度を高めながら特異度を維持しなくてはならない点に難しさがあります。今年はこのテーマを中心に据えました。 検診には、国の主導による対策型検診としての住民健診と職員の福利厚生の一環として行われる職域検診の2つがあります。住民健診の受診率は4割程度と低く、精密検査(精検)受診率も約7割にとどまります。加えて、職域では健康保険組合ごとのデータしかなく、受診状況の全体像が把握しにくくなっています。精度管理上、要精密検査率(要精検率)や精検受診率には数値指標が求められますが、設定が難しいのが実情です。このような現状に鑑み、感度・特異度の向上を目指した取り組みや精検受診率の向上を目的とした仕組みづくりについても議論します。 日本消化器がん検診学会主導のプログラムは10月31日がメインの日程となり、午前・午後にわたってワークショップを予定しています。「他の先進国に比べ死亡率の低下が緩徐な日本では、住民健診にどのように取り組んでいくか」について討議しますので、ぜひ参加していただきたいと思います。 台湾では、日本と同様に便潜血検査を用いた大腸がん検診を行っており、近年は大腸がんの死亡率が顕著に低下しています。招待講演では、国立台湾大学のHan-Mo Chiu先生に台湾での検診についてご講演いただきますので、海外の成功例を学び、日本の検診にどう活かすかを考える機会になるでしょう。 統合プログラム「消化器がん早期診断の現状と未来」やワークショップ「肝胆膵癌の新たな診断モダリティと展望」では最新の診断モダリティが取り上げられます。将来的に検診に導入される可能性がありますので、とても注目しています。 JDDW2024は昨年に引き続きハイブリッド形式での開催です。オンデマンド配信では、日時が重なるセッションの視聴や再度の聴講ができ、現地に足を運ぶのが難しい方もご参加いただけます。現地参加の方は、忙しい日常診療を離れ、旅行の一環として気分転換をしていただくのもいいでしょう。また、フロアでのディスカッションといった情報交換は学術集会の醍醐味だと思いますし、合同学会という形式は普段交流がない先生方との会話を実現します。熱いディスカッションが交わされる、活発な学会になることを期待しています。 インタビュー記事一覧 日本消化器関連学会機構理事長小池 和彦 氏 第66回日本消化器病学会大会会長坂本 直哉 氏 第108回日本消化器内視鏡学会総会会長矢作 直久 氏 第28回日本肝臓学会大会会長四柳 宏 氏 第22回日本消化器外科学会大会会長堀口 明彦 氏 MTウェブJDDW2024 TOP 主なプログラム 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×
がん検診には、対象とする「健康な人」に潜むがんの疑いを探し出し、治療につなげることが求められます。そのため、がんの検査は感度が重要であると同時に、特異度も問われます。しかし、両者は二律背反の関係にあり、感度を高めながら特異度を維持しなくてはならない点に難しさがあります。今年はこのテーマを中心に据えました。 検診には、国の主導による対策型検診としての住民健診と職員の福利厚生の一環として行われる職域検診の2つがあります。住民健診の受診率は4割程度と低く、精密検査(精検)受診率も約7割にとどまります。加えて、職域では健康保険組合ごとのデータしかなく、受診状況の全体像が把握しにくくなっています。精度管理上、要精密検査率(要精検率)や精検受診率には数値指標が求められますが、設定が難しいのが実情です。このような現状に鑑み、感度・特異度の向上を目指した取り組みや精検受診率の向上を目的とした仕組みづくりについても議論します。 日本消化器がん検診学会主導のプログラムは10月31日がメインの日程となり、午前・午後にわたってワークショップを予定しています。「他の先進国に比べ死亡率の低下が緩徐な日本では、住民健診にどのように取り組んでいくか」について討議しますので、ぜひ参加していただきたいと思います。 台湾では、日本と同様に便潜血検査を用いた大腸がん検診を行っており、近年は大腸がんの死亡率が顕著に低下しています。招待講演では、国立台湾大学のHan-Mo Chiu先生に台湾での検診についてご講演いただきますので、海外の成功例を学び、日本の検診にどう活かすかを考える機会になるでしょう。 統合プログラム「消化器がん早期診断の現状と未来」やワークショップ「肝胆膵癌の新たな診断モダリティと展望」では最新の診断モダリティが取り上げられます。将来的に検診に導入される可能性がありますので、とても注目しています。 JDDW2024は昨年に引き続きハイブリッド形式での開催です。オンデマンド配信では、日時が重なるセッションの視聴や再度の聴講ができ、現地に足を運ぶのが難しい方もご参加いただけます。現地参加の方は、忙しい日常診療を離れ、旅行の一環として気分転換をしていただくのもいいでしょう。また、フロアでのディスカッションといった情報交換は学術集会の醍醐味だと思いますし、合同学会という形式は普段交流がない先生方との会話を実現します。熱いディスカッションが交わされる、活発な学会になることを期待しています。 インタビュー記事一覧 日本消化器関連学会機構理事長小池 和彦 氏 第66回日本消化器病学会大会会長坂本 直哉 氏 第108回日本消化器内視鏡学会総会会長矢作 直久 氏 第28回日本肝臓学会大会会長四柳 宏 氏 第22回日本消化器外科学会大会会長堀口 明彦 氏 MTウェブJDDW2024 TOP 主なプログラム