JDDW 2026:内視鏡×他領域、融合が生む進歩を体感
第112回日本消化器内視鏡学会総会 会長
大阪国際がんセンター 副院長(消化管内科)
石原 立
※氏名は敬称略

近年、消化器内視鏡領域では、画像強調処理や高精細化技術などが登場し、小さな病変や微細な変化を捉えられるようになりました。こうした技術の発展は、がんの早期発見や精度の高い診断を実現しています。治療面においても、消化管領域ではアンダーウォーター技術の導入によってきめ細かな処置が可能となり、安全性が大きく向上しました。さらに、内視鏡的縫合技術の向上により、これまで難しかった消化管の全層切除が現実的な手法となりつつあります。肝胆膵領域に目を向けると、消化管からのアプローチによる胆管内の観察や、胆道・膵臓のドレナージといった診療が広がっています。
JDDW 2026では、内視鏡領域と他領域を融合させたセッションが多数企画されており、内視鏡領域の進歩を他領域の診断・治療とどのように結び付け、連携に生かしていくかを考える貴重な機会になると思います。
注目は、統合プログラム3「消化器疾患に対する低侵襲治療の進化と功罪」です。内視鏡治療は究極の低侵襲治療といえますが、がんを適切に切除・治療できなければ再発を招き、死亡に至ることもあります。内視鏡治療をはじめとする低侵襲治療の進歩と限界が示され、その現状を知る上で示唆に富むセッションになるでしょう。
パネルディスカッション2「膵癌の早期診断における内視鏡の意義」では、難治とされる膵がんの早期発見を目指し、多様なモダリティーを用いた診断ノウハウが集約されます。また、Strategic International Session 3「十二指腸乳頭部腫瘍の診断とマネジメント」では、内視鏡的乳頭切除術や縮小手術、ハイブリッド治療、管腔内ラジオ波焼灼術など、新しい治療法の使い分けをめぐり濃密な議論が展開されます。
このほか、パネルディスカッション5「非乳頭部十二指腸腫瘍をいかに切除するか」では、偶発症リスクが高い十二指腸腫瘍の安全な切除に向けて、各種切除技術の適応と選択について議論されます。ワークショップ10「口腔咽頭から胃における腫瘍性病変の検出を極める」では、内視鏡医にとって永遠の課題である腫瘍性病変の発見をめぐり、検出精度の向上につながる工夫や方策が発表される予定です。
JDDW 2026では、早期発見や精緻な診断をはじめ、低侵襲治療から、よりアグレッシブな治療、そしてゲノム医療まで、幅広いテーマが取り上げられます。1つのセッションに腰を据えてじっくりと聴講するのも有意義ですし、さまざまなセッションを巡り、多彩なテーマに触れるのもよいでしょう。それぞれのスタイルで、JDDW 2026を満喫してください。
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