JDDW 2026:消化器がん検診、より高い「精度」と「効果」へ

第64回日本消化器がん検診学会大会 会長/
弘前大学大学院 先制医療学 教授
三上 達也

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※氏名は敬称略

三上 達也

 胃がん検診では、従来のバリウム検診に加えて胃内視鏡検診が推奨され、大腸がん検診では免疫便潜血検査が対策型検診として行われていますが、胃がん検診におけるリスク層別化や、大腸がん検診への内視鏡検診導入の是非など、今後議論すべき課題が残されています。今回の日本消化器がん検診学会大会では、「精度の高い効果的な消化器がん検診を目指して」をテーマとして、より精度が高く、効果的ながん検診体制の構築に向けて、さまざまな観点から検討します。

 中でも注目してほしいのは、大腸がん検診に関するトピックです。海外では、大腸内視鏡検診の導入後に大腸がん死亡率が大きく低下したことを示すデータが報告されていますが、日本では、検診・精密検査ともに受診率が高いとはいえず、海外と比べて検診の効果が十分に得られていません。今後、免疫便潜血検査と大腸内視鏡検診の組み合わせ方や、免疫便潜血検査に代わる新たな検診方法の実現性について検討する必要があります。ワークショップ5「精度と効率の両立を目指した大腸がん検診の未来」では、これからの大腸がん検診の在り方に一石を投じる議論を期待しています。

 特別講演「膵癌の『治癒可能段階』を捉える:True Precancerの分子理解と体液診断の可能性」では、旭川医大の水上裕輔氏が、治癒可能な段階での膵がん早期発見を目指し、発がんに至る分子機序や体液診断の可能性など、最新の知見を解説します。韓国では、国を挙げて胃がん検診プログラムが行われており、胃がんの死亡率が着実に減少しています。招聘講演では、韓国National Cancer CenterのYoung-Il Kim氏を迎え、韓国での取り組みや成果について紹介します。日本の胃がん検診の将来について考える良い機会になると思います。

 学会ごとの開催では、議論が専門領域に集中しがちですが、5学会が一堂に会するJDDWでは、他学会の専門家が加わることで、診断、治療、医療提供体制といった幅広い視点からの議論が展開されます。また、検診を専門とする医師と他領域の医師が、学会を越えて互いのセッションに参加・聴講することで、これまでにない問題意識や連携が生まれると期待しています。

 現地では、学会場を積極的に巡り、自分の専門と異なる領域のセッションにも足を運んでほしいです。また、企業展示では最新の医療機器に触れることができ、学会終了後は神戸の街を楽しむこともできます。オンラインでは、場所の制約を受けずに多数のプログラムに参加できます。いずれの参加でも、オンデマンド配信もあるので、聴講できなかった主題は後から視聴できます。ぜひ自分に合った形で参加し、JDDW 2026での時間を有意義なものにしていただきたいと思います。

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